64号 「すずめ踊り」について

八幡さま便り表紙

すずめ踊りを皆さんはご存知でしょうか。「すずめ踊り」とは仙台で踊られている踊りの一つであり、躍動感のあふれる動き、身振り手振りが餌をついばむすずめに姿が似ていることや、伊達家の家紋の一つである「竹に雀」にすずめが描かれていることから名付けられたなど、様々な語源があるとされます。

歴史としては、慶長8年(1603)に仙台城移徒式(新築移転の儀式)を終えた宴の場で、泉州・堺から移り住んだ石工たちが伊達政宗公の前で即興にて踊ったことであると言われております。

その後、石工たちは石切町(現在の八幡町)に住み、即興で踊ったこの踊りを「はねこ踊り」と呼び、伝承、毎年大崎八幡宮の祭礼の際には奉納演舞が行われていたとされています。しかし、第二次世界大戦後の動乱や高度経済成長期を迎え、西欧諸国の文化の流入を受けたこと等により、段々と「すずめ踊り」の継承者が減少していきました。その後、昭和36年(1961)に石切町の学区である仙台市立第一中学校の当時の校長である真山泰氏は伝統の継承が途切れる事に危機感を覚え、石切町の住民の記憶をもとに、徒手体操の動きを加えた形で復元に尽力しました。その際に「仙台・雀おどり」と名付けられ、昭和38年(1963)に仙台市立第一中学校「仙台雀おどり保存会」が結成されました。

昭和60年(1985)から「仙台・青葉まつり」が開催されると「すずめ踊り」が披露され、令和6年には93万人もの来場者が国内外より訪れたそうです。

また、すずめ踊りは八幡町でも盛り上がりを見せており、平成18(2006)年より当宮の例大祭の神賑行事の一環として「どんとロード八幡雀踊り」と呼ばれる催しが行われるようになりました、「どんとロード」には、当宮の松焚祭(どんと祭)にあやかり、多くの方に広く認知を頂き続いていくようにという思いが込められております。令和6年(2024)では800名近くの方々が参加し、大崎八幡宮で祈念した首掛け守りを身に、境内や県道31号線で演舞を行いました。

毎年5月の若葉萌ゆる定禅寺通りでの「仙台・青葉まつり」のすずめ踊り、仙台駅東口にて油照りの中で色とりどりの法被を着た雀たちが舞う「夏まつり仙台すずめ踊り」夏の残り香を感じつつ秋風の吹く、当宮での「どんとロード」でのすずめ踊りに足をお運び頂き、仙台の伝統文化を肌で感じていただければと思います。


Q祭連(まづら)とは何ですか?

Aすずめ踊りを構成するグループの事を指します。祭連はお囃子方と踊り方より構成され人未満の祭連から100人を超す祭連が存在しております。

Qどこですずめ踊りを見ることが出来ますか?

A大崎八幡宮では9月上旬に行われる「どんとロード」、9月中旬に行われる神幸祭、1月に「ハネコ踊り保存会」「伊達雀」が奉納演舞を行います。また、仙台市内では5月中旬に仙台・青葉まつり、7月下旬に夏まつり仙台すずめ踊りなどでみられる事が出来ます。詳しくは仙臺すずめ踊り連盟のHPにてご確認下さい。