一般に、土地の神様を氏神様、または産土様(うぶすなさま)、あるいは鎮守様(ちんじゅさま)と呼ぶことが多いのですが、氏神様とは元来が、その氏族の祖神様(おやがみさま)や、その祖神様が尊信される守護神のことで、産土神(うぶすなのかみ)とは、それぞれの人たちが生まれた土地を開かれ、つかさどられている神様。鎮守神(ちんじゅのかみ)とは、その土地々々を安鎮守護せられる神のことで、昔は、いつもあつい信仰をささげる御神威の高い神様を、お招き申し上げてまつることも多く行われました。

しかし、日本民族は同一祖神につながる同胞(はらから)であるとの意識は、時の流れとともに、その土地々々にまつられている神様を、鎮守神(ちんじゅのかみ)であるとともに、自分たちを育てておられる産土神(うぶすなのかみ)であり、祖先にもつながる氏神様でもあると受けとめられるようになりました。

それが人としての自然的な信仰であり、現在ではことさら区別するような使い分けはいたしておりません。