葬儀は、初宮詣などに始まる人の一生を通じての数多くの人生儀礼の中でも、最後の重儀ですから、手厚く奉仕せねばなりません。
神式による葬儀を、神葬祭(しんそうさい)といいます。
神葬祭には、次のまつりが含まれています。

帰幽奉告祭

通夜祭

葬祭(遷霊祭・棺前祭・告別式・出棺祭・火葬祭・埋葬祭・帰家祭)

恒例祭

春季霊祭:春分の日
秋季霊祭:秋分の日
正辰(せいしん)祭:祥月命日
月次(つきなみ)祭:毎月一日 十五日
日供:毎日

春季・秋季霊祭、正辰祭、月次祭、日供を恒例祭といいます。
春秋二季の霊祭は、春の最中(さなか)と秋の最中、即ち昼夜平分の日に先祖代々の御霊(みたま)に対し、子孫が追慕追遠の誠を捧げると共に、祖先の加護をお祈りする祭です。正辰祭はいわゆる祥月命日の祭りで、死去した日に故人を追慕します。普通は各祖霊中、始祖、両親、近親及び中興の祖神のような特殊の祖霊に対して行います。
月次祭は、月の始めと半ばとに行い、日供を一段と鄭重にする祭りです。なお月次祭の中で一月一日は特に歳旦(さいたん)祭として行います。
日供は、日々の奉仕であって、日に新た祖霊の恩徳を偲び、加護をお祈りする、大切なお勤めです。

毎十日祭・百日祭

十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭、百日祭

人が亡くなって後、五十日目まで、十日目毎に神職を招いて毎日のまつりを一段と鄭重に行います。これを毎十日祭といい、五十日祭は当然ですが、少なくとも一~二回はこの毎十日祭を神職を招いて行うようにしたいものです
五十日祭を終えて後はじめて忌明けとなり、平常の生活にもどります。
なお、通常五十日祭終了後、故人の霊をそれまでの仮霊舎より祖先をまつる祖霊舎に合祀する合祀祭を行います。
合祀祭の後一年祭までの間に、重要なまつりとして百日祭があります。

年忌祭

一年祭、二年祭、三年祭、五年祭、十年祭、二十年祭、三十年祭、五十年祭、百年祭

毎年の祥月命日には、墓参りをし、供物を普段より豊富にするなど、故人を手厚くまつりますが、特に上記の年数に当る年の祥月命日には、神職を招き親戚一同が集い、特別のまつり「年忌祭」を行います。
五十年祭もしくは三十年祭をもって「まつりあげ」にして、以後は祖先としてまつるのが慣例であり、百年祭を行うのは稀です。 なお、春秋のお彼岸やお盆に先祖をまつるのも大切なことです。
以上の毎十日祭・百日祭・年忌祭は、仏事と異なり、数え日・数え年ではなく、満何日・満何年で奉仕します。 なお、年忌祭など命日当日に行えない場合は、日数を引き寄せるのを良しとするのが通例です。